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 「原発ごみ」を処分する場所は日本にあるのか? 原子力発電所の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(※注①)の処分場探しに役立てるため、全国の地質環境などを整理した「科学的特性マップ」が遠からず、経済産業省から示される見通しだ。福島の原発事故のあと、小泉純一郎・元首相が日本で処分場を見つけるのは難しいと語ったのに対し、安倍政権は日本にも好ましい地下環境があるとしてここまで作業を進めてきたものの、迷走気味だ。経産省の有識者会議(放射性廃棄物ワーキンググループ)に委員として加わるNPO法人・原子力資料情報室の伴英幸・共同代表に経緯や問題点を聞いた。

小泉元首相の問題提起

 ――この問題は2013年夏、小泉元首相の「原発ゼロ」発言で議論に火が付きました。

 「ええ。小泉元首相が13年8月、フィンランドの最終処分施設を見て、『(地震国の)日本において処分場(地層処分施設=※注②)のめどをつけられると思うほうが楽観的で無責任』と言って、原発ゼロを唱えました。相当なインパクトで、14年2月の都知事選で小泉さんが推す細川護熙元首相が勝つかも、という情勢になったんです」

 「それで自民党の原発維持派が経産省を突き上げたのです。原子力発電環境整備機構(NUMO)が02年から公募をしているのに、いまだに決まらないのは何事だ、と。それで国としても13年12月、第1回最終処分関係閣僚会議を開き、国が科学的な観点から有望そうな地域を示す方式へと転換するのです。こうして、きわめて政治的な理由でこの作業は始まったのです」

 ――日本学術会議も14年9月、重要な提言をまとめます。地震や火山活動が活発な日本では万年単位で安定した地層を見つけるのは難しい、と。だから、いつでも廃棄物を取り出せる施設で、数十~数百年間、暫定的に管理するべきだ、というものでした。

 「私は暫定保管について大いに参考にするべきだと有識者会議で主張したのですが、経産省にくみ取ろうという姿勢はありませんでした。提言でもう一つ重要なのは、廃棄物の総量に上限を設ける『総量管理』の考え方です。無制限な廃棄物の増大に歯止めをかけるべきだというのです。それは私たちが主張する脱原発に通じるところがあります。処分量を確定させることで、『今の世代』で廃棄物処分に責任を持つ覚悟ができるのではないでしょうか。原発をこの先100年も使うと言っていては、『今の世代』が責任をと言っても、誰もピンとこない。原発を続け、発生する廃棄物が計画する処分施設の容量を超えたら、新たに別の処分施設をつくらないといけなくなります」

 「提言は一方で、日本国内で安定した地層を見つけることについて、『現在の科学的知見と技術能力では限界がある』との見解を示しました。つまり、日本で処分場の適地を見つけるのは難しいと。しかし、私は、日本のどこかで見つける努力をするべきだと考えています。福島の事故のあと、日米が処分施設をモンゴルで計画しているという報道がありましたが、海外にお願いするというのは、倫理的に許されないと思うのです。だから、暫定保管しながら、適地を探す努力をすればいいと考えます」

■迷走する全国マップ…

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