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 茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで、ウランとプルトニウムが入った保管容器から放射性物質が漏れた事故で、原子力機構は7日、5人の作業員のうち4人の肺から放射性物質が検出され、内部被曝(ひばく)したと発表した。50代の男性職員からは、2万2千ベクレルのプルトニウムが検出された。現時点の推計では1年間に1・2シーベルト、50年で12シーベルトの内部被曝をする値で、過去にこれほどの内部被曝をした例は、国内ではないという。原子力機構は「将来、健康被害が出る可能性があり、長期的に経過を観察しなければならない」としている。

 原子力機構によると、20~40代の3人の肺からも容器内の放射性物質が検出された。残りの40代の1人も内部被曝した可能性が高いという。5人は体内に入った放射性物質の排出を促す薬剤の点滴を受け、7日午前に、千葉市の放射線医学総合研究所に搬送された。放医研で正確な内部被曝量を測定する。

 事故が起きたのは、高速炉の新型燃料などを研究開発していた燃料研究棟の分析室。6日に保管状況を確認するため、保管容器のフタを開けたところ、突然、放射性物質が入ったポリ容器を包んでいたビニール袋が破れ、粉状の放射性物質が飛散した。

 原子力機構は、この作業でビニール袋が破れることを想定しておらず、作業は密閉した状態で行われていなかった。口と鼻を覆うフィルター付きの特殊なマスクをして作業していたが、内部被曝した。

 保管容器はウランとプルトニウムを封入した1991年以降、年に1回、容器の外観は点検していたが、26年間、内部は一度も点検していなかったという。同じものが入った保管容器が20個残っているといい、原子力機構は今後、容器内の状況を調べるという。

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は7日の記者会見で「これまで(プルトニウムを扱う作業で)事故がなかったことで、プルトニウムに慣れすぎたのではないか。原子力機構は真剣に反省し、手順を考え直すべきだ」と語った。