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柳川の海産物問屋社長・金子英典さん

 漁師さんが「捕る喜びが味わえなくなった」と嘆くほど、資源が枯渇してしまった有明海。かつてそこで捕れたものは、家庭で日常的に食べていたんです。

 イソギンチャクをみそ煮や空揚げにしたり、シタビラメの仲間のクッゾコを煮付けにしたり。ワラスボは煮付けや、ぶつ切りにしてみそ汁。すわぶって(吸いながら)食べます。ムツゴロウは甘露煮にし、料理屋ではかば焼きになりました。有明物は今や高嶺(たかね)の花になってしまったかもしれませんが、うちの食堂では昔の柳川の家庭の味をお出ししています。

 有明海の豊かさを、直面する現状を含めて観光客に身近に感じてもらえればと、行政と体験ツーリズムを考えました。ムツゴロウ釣りと、伝統のくもで網を使っての漁です。くもで網は沿岸に設置されたやぐらから大きな四角い網を入れて、引き上げる漁法です。スズキやエビ、運がよければウナギも入ってきます。それぞれ干潮時、満潮時にできるもので、4~10月に海のそばにある「むつごろうランド」(電話0944・72・0819)で申し込めます。

 私の店は、ここで捕った魚を調理する役割。「いい経験ができた」「おいしかった」とお客さんが喜んでくれる。有明海を知ってもらえたとうれしくなります。