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 マダガスカルの沿岸は生き物であふれていた。しかし、外国船による乱獲と気候変動による極端な天気、森林伐採による土壌流出などで、海が衰え、人々の生活の質も下がった。

 海洋保護区を設定する場合、地元の漁民に背景説明がなかったり、収入が減る漁民への補償が十分でなかったりするのが通例だ。結果として、保護活動家と地元住民がにらみ合うことがよくある。そんな中、環境保護団体「ブルー・ベンチャーズ」(本部・ロンドン)のアラスダー・ハリスさんはタコを使って、疑い深い住民と連携している。

 タコが理想的なのは成長が早いからだ。少しの間、禁漁区を設けるだけで成果が表れる。「タコを保護することが第一の目的ではない。幅広い生態系を守るための媒介に使う。素早く回復すれば、反対していた住民とも対話できるようになり、永続的な保護区をつくることにもつなげられる」とハリスさんは話す。

 タコの漁区の4分の1を3カ月禁漁にすると、解禁後の漁獲は倍になる。漁獲量が元に戻るのは約2カ月後。1区画が禁漁となっている間に、残りの区画で漁をすれば年間の漁獲は安定する。漁民によると、各区画を年に2回禁漁にすれば、漁区全体の魚の量が復活する。

 10年前、マダガスカルには海洋保護区が一つもなかった。タコを使った取り組みが各地に広がり、今では100以上の海洋保護区が設けられているという。このような取り組みは東ティモールやモザンビーク、インドネシアでも行われているという。(アイ〈イギリス〉)

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