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 雨のために無観客で実施されることになったAKB総選挙。開票が見られなくなったことから、開催予定だった沖縄への来県をキャンセルするファンたちが相次ぐ中、たとえ中継が見られなくても近くにいたい、と熱い思いを抱いて沖縄入りした黄色い集団がいる。3連覇がかかる指原莉乃さんを応援する「指原会」のメンバーだ。

 「きょうは指原の前祝い。かんぱーい」

 シトシトと雨が降る那覇市の居酒屋。AKB総選挙を翌日に控え、黄色いシャツを着た男たちが、ビールや泡盛を次々に注文した。

 「3連覇は間違いない。あとは何票取れるか」

 「20万票は超えるだろう。今回も票は割れていない」

 「2位は(渡辺)麻友だろう」

 「SKEには組織力がない。(松井)珠理奈を本気で勝たせたいと思っているのか」

 「○○陣営が1票800円で票を売っている」

 票読みから、他陣営の動向、過去の選挙の敗因分析、そして投票用紙の売買まで……。会話の内容は、もちろんAKB総選挙だ。彼らは指原さんを応援する指原会のメンバーで、指原さんを1位にするために数十万円から数百万円のお金をつぎ込んできた精鋭たち。指原さんは今回の総選挙を最後の出馬と宣言している。それゆえ、必ず3連覇を達成し、指原さんの花道を飾りたいという指原会の思いは強い。

 5月末に発表された速報結果では、指原さんは荻野由佳さん、松井珠理奈さんに次いで3位に甘んじているが、指原会は全く問題ないと自信を持つ。「まるで試験の結果を待つ心境。合格(1位)になるのはわかっているけど、点数(得票数)がちょっと心配」と話す。

 なぜ、指原さんは選挙に強いのか。「このメンバーを見ればわかるでしょ。40~60代が主力。我々には資金力がある」と、指原さんの顔面がプリントされたシャツを着たマックさん(43)は話す。選挙費用として1本(100万円)は使ったというシミズさんは、「お金? 正直、やっと解放されるという思いは、ちょっとある」。

 「前祝い会」には、13人が集まった。イベントが雨天中止にならなければ、30人以上が集まる予定だった。16日夜の時点では、沖縄でのパブリックビューイングは調整中で、開票中継が見られないおそれもあった。「最悪、あしたテレビを買えばいいじゃん」という声もあがるなか、そこまでして沖縄に来た理由とは。

 研究生時代から指原さんを応援してきたというちゃいさん(55)は「メンバーがかわいそうだから」という。「無観客の会場で、順位が発表されて、コメントするなんてかわいそう。感動が共有できない」。一方、指原会の中心的存在であるあっきーさんは「1位になるのはわかっているから。見られなくても別にね。それより、沖縄まで行ったんだよと、指原に言うのが楽しみ」と、次の握手会に思いをはせる。

 しかし、どうしてそこまで指原さんを応援するのか。口々に言うのは、指原さんのアイドルらしくない人間力にひかれたという言葉だった。「おれらみたいなおっさんにも、タメ口で話してくれる。誰にも物おじしない。みなに平等。そこが魅力」と、あっきーさん。

 なるほど。では、その指原さんへの愛は恋愛感情なのか。「それはない。おれらはガチコイ(疑似恋愛の対象)ではない。純粋に指原が成長する姿を見ていたいだけ」とマックさんは強く否定した。

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 AKB総選挙の開票は17日午後4時すぎに始まる。主催団体は17日未明、開票イベントを予定していた沖縄県豊見城市の公園内で、チケットを購入したファン向けのパブリックビューイングを実施すると発表した。(滝沢文那、佐々木洋輔)