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 「楽しい夏休み」。よく聞くフレーズだが、旅行や外出の機会が持てず、夏休みを楽しみに思えない子どもたちもいる。彼らに自然の中で思い切り遊ぶ体験を届けたいと、若者や子どもを支援する団体が寄付を呼びかけている。

 NPO法人「育て上げネット」(東京都立川市)は、就労訓練プログラムや企業との連携を通じ、ニートや引きこもりの若者の就労支援をしてきた。学習スペースを運営し、経済的に苦しい家庭の小中高生の学習支援も重ねている。

 その小中学生らを対象に、自然豊かな山梨県丹波山(たばやま)村で8月、2泊3日のキャンプを行う。テントに泊まり、川遊びなどをする予定だ。そのための資金を、インターネットで寄付を募るクラウドファンディング(CF)で募っている。

 「経済的に苦しい家庭では旅行もできず、日常の行動範囲も狭くなりがち」と担当する船橋雄介さん(41)は話す。「夏休み明けの教室で、友だちが旅行の話で盛り上がっているのを黙って見るのは酷。『どうせ自分は』と、あきらめの気持ちも強まってしまう」

 就労支援で若者らと接する中で、「自信につながる経験や、失敗し、他人に助けられながら乗り越える経験を子どもの頃にもっと積めていれば」と思うことがたびたびあったという。

 前向きに生きる力につながれば、と始めたキャンプは4年目。子どもたちの現状は「社会が解決すべき課題」と、多くの人が関心を寄せ、支援に加わることにつながるCFで、初めて資金を集めることにした。

 気乗りしなかった川遊びに挑戦したことで積極性が芽生えたり、親に代わって家族の食事作りをしている子が、料理の腕前をほめられて仲間から一目置かれたり。昨年参加した子どもたちは、たった2泊の経験でも大きく成長したという。

 寄付は29日まで。既に子ども20人分の目標額には達しているが、多く集まった分だけ参加者を増やすことができる。詳細はCFサイト「グッドモーニング」(https://camp-fire.jp/projects/view/30647別ウインドウで開きます)へ。

キャンプが「子どもの自信に」

 一方、アフリカにルーツを持つ子どもたちのためのキャンプ資金を、CFで募っている大学生もいる。

 父がナイジェリア人、母が日本人で、岐阜県で生まれ育った上智大4年のエバデ・ダン愛琳(あいりん)さん(21)。「キャンプが子どもたちの自信につながれば」。こう願う背景には子ども時代に味わった苦い思いがある。

 小学1年の時。漢字テストでたまたま悪い点をとったら、同級生に「外人だから仕方ない」と言われた。中学の部活の試合で「外国人助っ人を呼ぶのは違反」と言われたことも。「この見た目で日本で生きることを、自分で選んだわけじゃないのに」。苦しい胸の内は誰にも明かせなかった。

 大学進学で上京。NPO法人「アフリカ日本協議会」(東京都台東区)の事業で、アフリカにルーツをもつ子どもたちが集う「アフリカンキッズクラブ」に関わるようになった。「黒人っていじめられた」「アフリカって貧しいからお前の家も貧乏なのって聞かれた」。子どもたちの境遇が、昔の自分に重なった。

 初めて参加した昨年のキャンプで、似た背景をもつ仲間とはしゃぐ子どもたちの姿に「幼い頃の私が求めていたこういう場を、子どもたちに提供し続けたい。理解者も増えて欲しい」という思いが強まり、今年はCFに挑戦した。

 キャンプは、7月末に東京・奥多摩で1泊2日で行う。50人の参加を見込み、7月25日まで50万円の寄付を募っているが、まだ7割ほど。期日までに集まらないと1円も入らない仕組みだ。エバデさんは「多くの方の支援が、子どもたちの『1人じゃないんだ』『アフリカンキッズであることはすてきなことなんだ』という気持ちにつながる」と、協力を呼びかけている。詳細はCFサイト「レディーフォー」(https://readyfor.jp/projects/africankidsclub別ウインドウで開きます)へ。