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 来年に韓国で開かれる平昌(ピョンチャン)冬季五輪・パラリンピックに向け、ジャーナリストの池上彰さんが韓国を取材するシリーズの第2回。氷上競技が開かれる江陵(カンヌン)市にある統一公園を訪れ、「朝鮮戦争の今」を伝えます。

 奇妙な光景だ。韓国で来年開かれる冬季五輪のスケート会場近くの江陵市の海岸。穏やかな日差しの下、子どもたちの歓声が響く。ところが、そこに鎮座するのは、すっかりさびついた北朝鮮の潜水艦だ。

 韓国はまだ戦時下だ。朝鮮戦争は休戦状態であって、終わっているわけではない。それを国民に思い起こさせようというのが、ここ江陵統一公園の狙いだ。北朝鮮の潜水艦と共に韓国海軍の軍艦も展示されている。とはいえ、休日ともなると、大勢の家族連れでにぎわっている。戦時中という緊張感はない。

 この江陵統一公園のある江陵市は、平昌五輪の会場になっている。平和の祭典の会場近くに戦争の記憶をとどめる公園が存在する。これがいまの韓国だ。

 平昌五輪と呼ばれるが、実際には韓国北東部にある江原道(カンウォンド)で開催される。江原道の「道」は日本の県に相当する。このうち平昌郡の山間部では開会式や閉会式、スキーなどが実施される。東の海岸沿いの江陵市ではフィギュアスケートやアイスホッケーなど氷上競技が行われる。

 五輪という平和の祭典が開かれるとはいえ、江原道の北は軍事境界線。その先は北朝鮮になる。北朝鮮側にも江原道という行政区画がある。要は朝鮮戦争の結果、江原道の分断が固定化されてしまったのだ。

 江陵市は、1950年6月に勃発した朝鮮戦争で、北朝鮮軍が上陸した場所でもある。6月25日の日曜日の午前3時半、北朝鮮軍の兵士1800人が上陸。守る韓国軍兵士と激しい銃撃戦の末、占領した。

 朝鮮戦争が休戦になった現在も…

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