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 東芝の海外原子力事業の失敗は必然だった――。プラントビジネスの専門誌編集長を長年務めてきた宗敦司(そう・あつじ)さんは指摘する。「原子力ルネサンス」といわれる中で、米原子炉メーカーを買収した名門・東芝は、なぜ坂道を転がり落ちるように業績を悪化させてしまったのか。宗さんは、東芝の経営層の甘い認識によって、買収当初からつまずく可能性があったとみる。そして今のままでは、日本の原発輸出に成算はない、とも言い切る。

買収当初から「不安」

 ――まず2006年、東芝によるウェスチングハウス(WH)社(※注)の買収をどうみますか。

 「英核燃料公社がWHを売り出したとき、買収する企業は三菱重工業が妥当だというのが、私をふくむ業界関係者の一致した見方でした。というのも、WHは加圧水型炉(PWR)のメーカーであり、そのライセンスで三菱はWHとほぼ対等の関係を築いていたからです。一方、東芝は沸騰水型炉(BWR)のメーカーで、PWRと構成機器も異なり、つくりかたのノウハウも違います。だからシナジー(相乗)効果がないばかりか、知らない技術のWHを東芝がうまくマネジメントできるのか、という不安がありました」

 「落札価格の54億ドル(当時の為替レートで約6400億円)というのも高すぎました。業界では、頑張って30億ドルと言われました。なぜ、それほどの高値を示したのか理由が分かりません。1979年のスリーマイル島事故以降、米国では約30年にわたって原発の新設がなく、WHもゼネラル・エレクトリック(GE)も大型機器の製造能力をなくしていました。もちろん日本の原子炉メーカーも、原発機器を輸出したことはあっても、海外でいちから原発を建設した経験はありません。うまくいくはずがなかったのです」

 ――東芝はWH買収後、201…

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