[PR]

 サッカー天皇杯でも快進撃を続ける「いわきFC」のクラブハウスとして今月オープンした「いわきFCパーク」。管理運営を任されたのは、JRいわき駅前で飲食店街「夜明け市場」を手がける東京都内の企画会社だ。事業拡大に合わせて、いわき市内にも本社を設置。全国で地域再生に走り回る同社の本気度を示す狙いもある。

 この企画会社は「47PLANNING(ヨンナナプランニング)」。「食や文化を通じて全国47都道府県を元気に」を旗印に、いわき市出身の鈴木賢治社長(35)が2009年に設立したベンチャー企業だ。

 約50人の従業員は20、30代が中心。東京・浅草の商業施設「まるごとにっぽん」で、観光物産のPR用スペースやセレクトショップの運営を担うほか、各地で開かれる地域活性化イベントの企画に携わる。食材を前面に出す飲食事業など、活動は多岐にわたる。

 「夜明け市場」は11年11月、東日本大震災からの復興支援と商店街の活性化を目的に誕生。戦後、駅前のスナック街としてにぎわっていた「白銀小路」を再生した。赤ちょうちんが揺れる約40メートルの通りを挟み、募集中を含む約15店が軒を連ねる。常連客らでにぎわう昭和レトロな飲食街として注目されるようになった。

 「いわきFCパーク」では、パンケーキや原産地にこだわったコーヒーが売りのカフェのほか、収益性の向上をめざす「プロパティーマネジメント」(PM)と呼ばれる建物全体の経営を任された。

 今年の初めには2本社体制に変更。東京のJR新宿駅近くのビルのほか、夜明け市場の一角にも拠点を置く。市内外での事業機会を掘り起こすことに加え、理念が重なるいわきFCとの連携に経営資源を投入することが狙いだ。

 担当者は「全国、世界へと事業を拡大していくためにも、まずはいわきを元気にすることに注力して成果を出していきたい」と話す。

 「いわきFCパーク」の副館長に就いた「47PLANNING」の石井弘輝さん(25)は富岡町出身。入社3年目ながら大役を任され、7年ぶりに福島に戻ってきた。いわきFCが掲げる「いわきを東北一の都市にする」とのビジョンを胸に刻み、決意を新たにしている。

 石井さんは富岡町の小、中学校から磐城高に進み、東大へ。在学中は英国に1年間留学した。「世界を舞台に仕事をしたい」と総合商社への就職を考えていたが、「食や文化を通じて国内を元気にするだけでなく、ノウハウを生かして世界に打って出よう」と訴える鈴木社長にひかれ、入社を決めた。東京都内の商業施設でイベントスペースや飲食店の運営を担うなど、経験を積んできた。

 クラブハウスの副館長は初めての経験だが、いわきFC側からは「クラブの本丸で新しい文化を作り上げてほしい」と期待されている。重圧に向き合う日々が続くが、「面白い、集いの場にしたい。ワクワクしている」と表情は明るい。

 鈴木社長と同様、ふるさとに寄せる思いは強い。大学生の時に起きた東日本大震災では自宅が津波で流され、原発事故では、両親や祖父母が富岡町内の自宅を追われ、川内村から東京都内へと避難生活を強いられた。両親らは現在もいわき市内で避難生活を続ける。

 「若い人が多く、可能性を感じる。いわきを元気にすることができないで、どこを元気にすることができるんだ」。自らにこう言い聞かせながら、課題に向き合い、にぎわい創出に力を尽くすつもりだ。(床並浩一)