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 青森市民は、コーヒーがお好き?――。総務省の家計調査(2人以上の世帯)によると、2014~16年に青森市民がコーヒー豆や缶コーヒーなどに費やした年平均額は全国4位。別の統計では、県内の喫茶店の数は東北地方で宮城に次ぐ多さという。その理由を探った。

 家計調査では、豆やインスタントコーヒーの「コーヒー」と、缶コーヒーやペットボトル飲料などの「コーヒー飲料」の2種類を分けて、1世帯あたりの統計を取っている。

 青森市のコーヒーへの支出は6122円で全国36位と低めだ。一方、コーヒー飲料への支出は6429円で全国1位。両者を足した1万2551円は全国4位。1位の富山市とは約400円の差しかなく、青森市が全国1位の炭酸飲料や果実・野菜ジュースの消費金額より多い。

「量日本一」へフェス

 総務省の2014年の調査によると、県内の喫茶店数は458店で東北では宮城県に続いて多い。しかも、その84%が個人経営の店という。そんな個人経営の喫茶店店主らから「もっとおいしいコーヒーを飲んで欲しい」と、新しい動きも出てきた。

 昨年11月、青森市で県内初めての「コーヒーフェスティバル」が開かれた。出店したのは、カフェを中心とした県内外の34店。2日間で約7千人が訪れ、各店のコーヒーを飲み比べたり、ラテアート体験をしたりして楽しんだ。

 フェス開催の目的の一つは「青森のコーヒー消費量を日本一にすること」だ。青森市の豆などのコーヒーとコーヒー飲料を足した消費金額は多いが、豆の消費量をみると14~16年の平均で年間2801グラムと全国11位。実行委員の1人で市内でコーヒースタンドを経営する中村公一さん(39)は、市民がコーヒーは好きだが缶コーヒーやペットボトルばかり飲んでいると分析。「おいしいコーヒーを知って、消費量が1位になれたら面白いと思った」と話す。

 開催してみると、人出は予想の3倍以上。年齢層も20代から高齢者まで様々だった。「こんなにコーヒーが好きな人がいるんだとうれしくなった。青森がコーヒーで注目される町になってほしい」。フェスは今年も、10月に開催する予定だ。(山本知佳)

寒さや見えっ張り気質影響 弘前でコーヒー教室・成田さん

 では、なぜコーヒーを好むのか。弘前市でコーヒースクールを営む成田専蔵さん(65)は「津軽地方を中心に、コーヒーを受け入れる土壌が整っていた」と分析する。

 成田さんがまず指摘するのが「寒さ」だ。国際コーヒー機関の統計によると、1人あたりのコーヒー消費量が多いのは、フィンランドやノルウェーなど北欧の国。成田さんは「寒い地域ほどコーヒーを飲むのでは」と話す。

 二つ目は「えふりこき(見えっ張り)が多いこと」という。1970年代の喫茶店ブームは、医師やホワイトカラーが引っ張り「コーヒーを飲むことがステータスとされた」。とりわけ城下町の弘前市は見えっ張りな人が多く、その気質がコーヒーを飲む動機付けになったのではないか、と分析する。

 さらに、人集めに使われて定着していった面もあるという。農家では繁忙期に労働力の取り合いになるため、休憩のおやつにお茶と漬物の代わりにコーヒーとお菓子を出してアピールする農家が出てきたらしい。

 「近所のお茶会に人を呼ぶため」「元々味の濃い食事をしていた青森の人はコーヒーの苦みにすぐに慣れた」といった説のほか、他の喫茶店主からは「青森は車社会で眠気覚ましにちょうど良かったのでは」といった説も聞かれた。

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