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 「麻央さんはブログを通じ、病で苦しんでいる人たちを笑顔にしたかったのだと思う」。小林麻央さんの死去を受けて、「はなちゃんのみそ汁」(文芸春秋)を家族で著した福岡市の安武信吾さん(53)が取材に語った。信吾さんは、2008年に乳がんで33歳で亡くした妻を小林さんに重ねた。

 妻の千恵さんもブログを書いていた。「最初はがんであることを人に言わなかったが、ブログを書き始めてふっきれたのか、明るくなった」と振り返る。「気持ちをはき出し、受け止めてもらって。『分かち合い』ができたのが大きかった。麻央さんもそうだったのでは」

 千恵さん亡き後、信吾さんは茫然自失(ぼうぜんじしつ)の毎日を過ごした。未来が全く描けなくなった。自分を取り戻すきっかけとなったのは、長女はなさん(14)が作るみそ汁だった。千恵さんが「1人でも生きていけるように」とはなさんに教えたもの。安武さんの話にじっと耳を傾けてくれた周囲の存在も大きかったという。

 千恵さんが亡くなった当時5歳だったはなさんは、昨年10月、小林さんに宛てた手紙をしたためた。「我が家と一緒だと思って。メッセージを送りたかった」とはなさん。「食べ物の力はすごいです。麻央さんも、しっかり、ご飯を食べてくださいね。(中略)病気が治ることを祈っています」と書いた。

 はなさんは「(麻央さんの子どもたちに)かわいそうにって言わないで」と願う。母がいなくて寂しく思った時はもちろんある。「でも、パパがいるし、ママは体はないけど、いる。かわいそうって言われるのがすごく嫌だったし、今も嫌です」と話した。(山下知子)