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 第2次世界大戦中、ナチスに追われたユダヤ人約6千人にビザを発給し「日本のシンドラー」と呼ばれた元外交官、杉原千畝(ちうね)(1900~86)の妻の遺言を巡り、四男が長男の子ら3人に遺言の無効確認を求めた訴訟の控訴審判決が26日、東京高裁であった。安浪亮介裁判長は遺言は無効とした一審判決を取り消し、四男の請求を棄却。「妻の遺言は有効」と認めた。

 判決によると、遺言は妻が入院中の2001年12月に公証人が作成した。千畝の遺品など全財産を長男の子2人に相続させる内容。

 16年11月の一審・東京地裁判決は、遺言を残した際、妻には低ナトリウム血症などで意識障害があり、遺言内容を判断できなかったと判断した。二審判決は、意識障害は夜間のみで、退院後も講演活動などをしており「妻の意思に基づかないとはいえない」と認めた。

 判決後に会見した四男の杉原伸生(のぶき)さん(68)は「承服できない」と述べ、上告する方針を示した。伸生さんによると、遺産は欧州赴任時の回想を記した千畝の手記や当時の写真などで、経済的価値のあるものはないという。(後藤遼太)