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 励まし合って苦しい時期を乗り越えた2人の女子フィギュアスケーターがいる。同じコーチの指導を受ける三原舞依(17)=神戸ポートアイランドク=と坂本花織(17)=神戸ク。共に来年2月の平昌(ピョンチャン)五輪を目指している。

 兵庫・芦屋高3年でシニア2季目の三原は「昨季とは全然違った曲になる。新たな一面を見せたい」。神戸野田高2年で今季シニアデビューする坂本は「今季はすごく勢いのある曲。勢いに乗って、今まで通りのジャンプを跳んで高い点数を出したい」と意気込む。

 先にスケートを始めたのは坂本だった。三原は「憧れだった。くるくるくるくる回ってて。『あの子すごいね』と話していた」。しかし、三原は程なく坂本と競い合う存在になる。坂本は「舞依ちゃんは成長が早い。ジャンプは何跳ぶのも舞依ちゃんが先。ちょっとくやしかった」。

 三原は2015年冬に若年性特発性多発性関節炎で入院し、一時は歩くこともできなかった。坂本は「前日まで元気だったのに、急にひざが痛いって言って跳べなくなった。舞依ちゃんがリンクにいない4カ月間、とてもつらかった」と振り返る。

 坂本は、三原の病気が発症する直前の15年秋に右足のすねを疲労骨折。その年の10月はリハビリのため、氷に乗れなかった。そんな坂本の姿を見ていた三原は入院中の同年12月、全日本選手権で演技する坂本のことをテレビの前で「すごく応援していた」という。

 それから約1年、けがが癒えた昨季、坂本は全日本ジュニアで優勝し、ジュニアグランプリ(GP)ファイナルと世界ジュニア選手権で共に銅メダルを獲得した。世界選手権では三原がショートプログラムで15位と出遅れながらフリーで盛り返して5位になった。テレビで見ていた坂本は十数件もメッセージを送った。「すごかった」「感動した」「ずっと泣いていた」「号泣」……。

 三原は、坂本のプレゼントを大事にカバンに入れて持ち歩いている。折り紙で作った金メダルだ。2人で一緒に記者の取材を受けた6月上旬、三原は「2月の四大陸選手権の時に作ってくれて、そして(私は)金メダルを取った。今、持っているよ。持ち歩いているの」と坂本に語りかけ、その金メダルを取り出した。坂本は照れ笑いした。

 坂本は「周りの人がたくさんサポートしてくれた。しっかり、恩返しできるようにしようと思う」。三原は「お返ししても足りないくらい色々してもらえている。感謝し続けないといけない」。2人で新シーズンの準備を続けている。(後藤太輔