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 早期発見が難しい膵臓(すいぞう)がんを、簡易な血液検査で見つけようという臨床研究を、国立がん研究センター、日本対がん協会などが7月から、鹿児島県の枕崎、出水市での住民健康診断に合わせて始めることになった。血液中の特殊なたんぱく質を目印にするもので、研究グループは「患者に負担の少ない方法で、早く実現させたい」と意気込む。

 同センターによると、膵臓がんによる死亡者は年間3万2千人。がんが原因の死亡者の中では肺がん、大腸がん、胃がんに次いで4番目に多い。早期に発見する方法が確立しておらず、見つかったときには半数が最も進行した状態で、5年生存率は1・6%という。

 研究グループは、膵臓がんや、膵臓がんを引き起こす可能性の高い慢性膵炎(すいえん)などのときに血液中で減少するたんぱく質「アポA2アイソフォーム」を目印にして、膵臓がんを早期発見する技術の開発に取り組む。

 臨床研究は枕崎市では7月4日から、出水市は8月中旬から始める予定。

 対象は50歳以上の男女で、住民健康診断の際に事前同意を取ったうえで血液を採取する。血液検査でたんぱく質に異常値が見つかった場合、鹿児島大病院や鹿児島市立病院、出水総合医療センターで精密検査を受けてもらう。血液検査や精密検査での追加料金などの個人負担はないという。

 研究グループは、5千~1万人に受診してもらい、有用性を証明するデータを集めたい考え。国立がん研究センター研究所の本田一文・ユニット長は「患者に負担の少ない簡易な検査で膵臓がんを早期発見できる効率的なシステムを、早く実現し、定着させたい」と話した。

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(町田正聡)