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 熱中症による死者は増えている。地球温暖化やヒートアイランド現象もあり、真夏日や猛暑日も近年、増加傾向にある。猛暑だった2010年は1745人が死亡しており、熱中症はもはや「災害」だといえる。

 中井誠一・京都女子大名誉教授が厚生労働省の人口動態統計から熱中症によるとみられる死者を調べたところ、2015年までの48年間で計1万3730人が死亡していた。最も多いのが10年の1745人。最近10年は年平均829人が死亡しており、それ以前の38年間の平均143人の5・8倍に増えている。

 死者の増加は、夏の気温上昇と関係している。

 気象庁のデータによると、長期間の統計のある全国13地点の平均では、最高気温が30度以上の真夏日は、1931~40年は年平均36・6日だったが、2016年までの10年で年43・5日に増加。夜の最低気温が25度を下回らない熱帯夜も、40年までの10年は年11・2日だったが、昨年までの10年間は25・2日の2・2倍に増えた。真夏日や熱帯夜の日数が多い年は、死者が増えていた。

 死者の8割ほどは65歳以上の高齢者が占め、家での発症が多い。0~4歳の子どもでは、自ら移動することができない0歳児が多い。過去には、自動車の中に置き去りにされる例がみられた。

 40~50代が亡くなるのはおもに職場だ。建設業など屋外で作業する人が多い。特に作業の初日や2日目に発症しやすい。

 めまいや立ちくらみ、頭痛や嘔吐(おうと)などの症状が出たら、すぐに対処する。放っておくと、多臓器不全や脳の機能障害で死に至ることもある。中井さんは「防災の観点から対策をとれば、熱中症による死者は相当減らすことができる」と話す。

<アピタル:マンスリー特集・熱中症>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/monthly/

(北林晃治)

北林晃治

北林晃治(きたばやし・こうじ) 朝日新聞記者

2002年朝日新聞社入社、北海道報道部、さいたま総局をへて、東京本社生活部、科学医療部。厚生労働省など社会保障、医療分野を取材。東日本大震災後、社会部をへて再び科学医療部へ。2016年9月からアピタル編集部員