[PR]

 風邪薬の主要成分アセトアミノフェン(AA)製造最大手の原薬メーカー「山本化学工業」(和歌山市)が安い中国製AAを無届けで混入させていた問題で、和歌山県は28日、医薬品医療機器法(薬機法)に基づき、同社に29日から22日間の業務停止命令と再発防止のための業務改善命令を出した。山本隆造社長は報道陣の取材に対し、中国製AAを混ぜた理由について「コストダウンのため」と説明した。

 業務停止期間は6月29日~7月20日で、同社が製造している全10製品が対象。再発防止のため、今回の問題の原因と責任の明確化などを求めている。

 県によると、同社は2009年2月から、自社で製造したAAに無届けで中国製品を約2割混ぜて水増しし、出荷していた。自社のAAの原材料にも無届けで中国製品を使っていたという。

 さらに15年11月からは、てんかん発作の治療薬に使われる「ゾニサミド」の製造でも、薬を混ぜる溶媒を無届けで変更していた。製造方法を変更する場合は本来、医薬品を承認審査する独立行政法人「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」に変更を届け出る必要があったが、同社はいずれも届けていなかった。

 ただし、県は「健康被害はなかった」とした。

 また、県が2年に1回行っている定期的な立ち入り検査の際、製造記録を偽造して不正を隠していた。同社関係者への取材では、県の立ち入り検査の際などに中国製AAを倉庫に隠していたこともわかっている。

 今回は、厚生労働省からの情報提供を受け、同省と県などで5月23、24日に抜き打ちで立ち入り調査をして発覚。県はこれまで県内の医薬品製造業者に対する立ち入り検査の際、業者側に事前に検査日を通告していたが、今後は抜き打ちで行うことを検討している。(杢田光