[PR]

 欧米の政府機関や企業に広がった27日の大規模なサイバー攻撃の被害は、ウクライナで他国に先駆けて広がり、被害の程度も最も大きかったとみられる。ウクライナの内閣報道局は28日、「大規模攻撃は阻止された」との声明を出したが、一部の企業、公共機関ではシステムが回復せず、混乱が続いている模様だ。

 攻撃は「ランサム(身代金)ウェア」と呼ばれるコンピューターウイルスによるものだと見られている。

 米マイクロソフトによると、攻撃が確認されたのはロシアやブラジルなど65カ国で、最初に確認されたのはウクライナだという。

 ウクライナでは被害はエネルギー関連企業、金融機関、マスメディアなどに広がった。首都キエフや東部ハリコフの国際空港ではサーバーが使えなくなり、28日も乗客のチェックインや離着陸・搭乗情報の表示などが手動で行われている。

 ウクライナは過去にも、公的機関がサイバー攻撃の標的になり、15年12月には複数の電力配給会社の送電が一部地域で数時間にわたって止まった。送電網に対する攻撃は1年後の16年末にも起きた。

 AP通信などの報道によると、27日の攻撃について国際的なサイバーセキュリティー関連会社の多くが、ウクライナと直接ネットワークでつながった企業、機関を通じて被害が各国に広がったと見ているという。

 一方、ロイター通信によると、28日になって欧州では仏金融大手BNPパリバの不動産子会社で新たに被害が確認されたという。(ウィーン=喜田尚、ロンドン=寺西和男)