埼玉の玄関口、大宮駅。周辺の県内屈指の繁華街では、飲食店や風俗店にみかじめ料や用心棒料といった不当な要求をする暴力団の影が見え隠れしている。東京五輪も見据え、県警はこうした事案を速やかに検挙できるようにと「県暴力団排除条例」の改正を検討している。
「南銀座付近で商売していた知り合いが、みかじめ料を請求されたと言っていた」
大宮駅周辺で商店を営む男性はそう明かす。数カ月前、若い男らに金を求められ、知人は金を支払わずに撤退したという。「数は減っているかもしれないが、暴力団関係者がナンギンに残っているのは確か」
県警の条例改正案は、「ナンギン」と呼ばれる大宮駅東口の飲食店や風俗店がひしめき合う南銀座などを強化地域に指定し、これまで以上に暴力団の活動を封じ込めるものだ。
地元商店などでつくる大宮南銀座親正会の男性役員(60)は「女性が1人で歩ける町にしたい。取り締まりは必要」と一歩前進と受け止めている。
一方で「みかじめ料の要求など露骨なものは、ここ10年ほどであまり聞かなくなった」という。それでも、道路工事の際に、業者が暴力団とみられる男にあいさつを求められたという話も聞くという。また大宮駅周辺では違法店が摘発されることもあり、「実は暴力団が裏にいることもあるかもしれない。より巧妙化しているのでは」と指摘する。
■五輪を見据え…
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