[PR]

 ロンドン中心部で1日、英政府の緊縮策に反対する大規模なデモがあり、数千人が参加した。参加者は「(緊縮策を課す与党)保守党は政権から出て行け」とシュプレヒコールをあげ、メイ政権の退陣を求めた。6月の総選挙で保守党が過半数割れし、求心力が低下しているメイ首相は財政運営でも難しい判断を迫られそうだ。

 デモは緊縮策に反対するキャンペーン団体が主催。財政赤字を抱える英国では保守党政権が財政再建のために公務員の賃上げを平均年1%までに抑える政策を続けている。公務員も多く参加したこの日のデモではこの政策の撤回などを求めた。

 最大野党・労働党の議員は先週、政府の施政方針演説にあたる「クイーンズスピーチ(女王演説)」の採決で、この政策の撤回を求めた修正案を出したが、保守党の反対で否決された。労働党のコービン党首は参加者の前で与党の対応を批判し、「できるだけ早く新たな総選挙の実施を求めていく決意だ」と述べ、政権交代を目指す考えを強調した。

 中部マンチェスターから参加した公務員のサイモン・ウィリアムスさん(42)は、昨年の賃金は年間2万6千ポンド(約380万円)で、「ガソリン代や食費などが値上がりして1%の賃上げだけでは全く足りない」と不満を述べた。英国の5月の消費者物価上昇率は前年同月比で2・9%と約4年ぶりの高さになり、生活への不満が高まりつつある。(ロンドン=寺西和男)