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 韓国のポン・ジュノ監督の新作映画「オクジャ」が、映画館での上映ではなく、映像をインターネットで配信する「ネットフリックス」で公開されている。今年のカンヌ国際映画祭に出品され、果たしてこれは映画と言えるのかという論争を巻き起こした。来日したポン監督と日本の是枝裕和監督が、日韓の映画作りの現状やカンヌでの論争などについて語り合った。

思い切った作品、大手では撮れぬ ポン・ジュノ

 是枝 「オクジャ/okja」を大変面白く見ました。現代文明への批評性を持つ一方で、どこかおとぎ話のようなおおらかさがあります。この映画を一体どこから発想したのですか。

 ポン ある動物の顔をふと思いついたことから始まりました。図体(ずうたい)はでかいけれど、悲しい顔をしていました。何が彼女を苦しめているのか。そう、この動物は女性です。そしてなぜこんなに大きいのか。異様な大きさの動植物は品種改良である場合が多い。そこで資本主義下の食品産業に関する物語が浮かびました。

 ――主人公の少女ミジャ(アン・ソヒョン)は韓国の山奥で祖父と暮らしている。彼女は豚のような巨大動物オクジャの世話をしていた。ある日、多国籍企業ミランド社がオクジャをニューヨークに連れていく。CEOのルーシー(ティルダ・スウィントン)は、オクジャを冷徹なビジネスに利用しようとしていた。

 是枝 オクジャとミジャとが脚韻を踏んでいるのが心地よかったです。

 ポン 是枝監督の「海街diary」も姉妹の物語でしたが、2人も姉妹のような関係にしたかった。だから名前の文字を一つ、同じにしたんです。日本語で言えば、オクジャは珠子、ミジャは美子という意味です。(日本語で)「タマコ!」「ヨシコ!」という感じ(笑)。ミジャという名前は彼女の祖父が付けたという設定です。だから少し古くさい響きがあります。

 是枝 あのおじいちゃんが良かったねえ。ポン監督の映画の常連ですよね。

 ポン 是枝監督にとっての樹木希林さんのような存在です。「グエムル 漢江の怪物」以来なので、10年ぶりに出てもらいました。「70歳を過ぎて初めてカンヌ国際映画祭に行けた。枯れ木に花が咲いた」と、とても喜んでくれました。

 是枝 親孝行が出来ましたね(笑)。

 ポン そう。映画的な親孝行ですね。ところで、樹木さんはお元気ですか。

 是枝 ええ。お元気で…

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