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 被爆者の全国組織、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は8日、都内で会見し、条約に「ヒバクシャにもたらされた苦痛と被害を心に留める」との文言が入ったことを評価し、「誠に大きな喜び」と歓迎する声明を発表した。

 声明は、日本被団協が1956年の結成以来、訴えてきた核廃絶の「道筋が見えてきた」と指摘。亡くなった被爆者や被爆者運動に携わってきた人々らと「喜びを分かち合いたい」とした。その上で、被爆者は、核兵器被害の実相を世界に伝える役割を担い続け、廃絶が実現されるまで世界の市民社会と歩み続ける、と宣言した。

 会議に合わせて渡米し、核廃絶を目指す約296万筆の国際署名を届けた事務局次長の和田征子(まさこ)さん(73)は「じわじわと感動がこみ上げてきた。多くの方が被爆者の思いに心を寄せ、努力を認めてくれてうれしい。廃絶まで長い道のりがあるだろうが、市民社会と力を合わせたい」と話した。

 条約は核兵器の使用や保有を法的に禁止する内容だが、日本や、米国など核保有国は交渉会議を欠席した。長崎で被爆した代表委員の田中熙巳(てるみ)さん(85)は会見で、この点に触れ「残念だし、悔しい。核保有国の市民の間に『核兵器はいらない』という声を大きくしていきたい」と語った。(岡本玄)