[PR]

 岡山大会に挑んでいるおかやま山陽は、部員が使った野球道具を発展途上国に送る活動を続けている。青年海外協力隊としてアフリカで野球を教えた経歴を持つ堤尚彦監督(45)が提案し、6年前から取り組んでいる。

 グラウンドの一角にある倉庫には、選手たちが長年使ってきたヘルメットやベースが置かれ、グラブやバットが入った段ボールが所狭しと並ぶ。

 部員たちが使った道具などを集め、手入れし、荷詰めして国際協力機構(JICA)を通じて海外に届ける。近隣の中学校や高校からも提供してもらい、年間でグラブ60個ほど、バット30本ほどを送る。送った国はジンバブエやザンビア、ウガンダなど計27カ国。

 堤監督は20代のころ、青年海外協力隊として渡ったアフリカで野球の魅力を再認識した。同時に、野球環境が整っていないアフリカの助けになりたいと感じた。

 ジンバブエでは、「野球を教えさせてほしい」と地元の小学校を頼み込んで回った。だが、サッカーが盛んな土地柄で、反応はいま一つ。何とか小学校の1クラスの授業で野球を教え始めた。次の週には全校児童300人ほどが参加したが、道具が足りず、多くの児童がプレーできなかった。次の週に集まったのは6人ほどだったが、一人はこう話したという。「サッカーが下手で試合に出てもボールに触れない。野球は打順が回ってくるから、とっても面白いよ」

 堤監督は「やっぱり野球は面白いんだ、野球を知れば好きになってもらえるんだ、と思いました」と振り返る。その後、1週間で25校の小学校を回るなどし、教えた学校のチームを集めたリーグ戦に30校以上が参加するまでになった。

 2006年におかやま山陽に赴任。野球の普及のため、アフリカへ道具を送る活動を始めた。

 友人らにも声をかけて道具を集めるなどし、「チームで最も寄付をしている自信がある」という松岡晃平君(3年)は「自分が使わなくなったものでも喜んでくれる。届けた国からお礼状をもらうとうれしい」。

 チームの目標は「甲子園に出場して全国にこの活動を知ってもらうこと」だ。(本間ほのみ)

こんなニュースも