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 山口県岩国市にある、広島東洋カープの由宇練習場。広島駅から快速で1時間の由宇駅からは、1日6本しかないバスに乗り継いでようやくたどり着ける秘境の地。一度でもここでプレーしたことある選手ならこう呼ぶそうです。「天国に一番近い球場」と。

 ファンの中でも、2軍に落ちることを「由宇ターン」、由宇で真っ黒に日焼けして戻ってくる選手を「由宇焼け」しているなんて言い方をすることも。かの前田健太投手も「2軍の場所は過酷じゃないといけない。そこからはい上がりたいと思うような場所じゃないといけないんだ」と教えてくれました。

 しかしそんな選手にとって過酷な練習場も、2軍の本拠地としてファンに長年愛されてきた場所でもあるのです。

 そんな聖地ともいえる由宇練習場が最近大きく進化しました。2014年にスコアボードを電光掲示板にしたのを皮切りに、くみ取り式のトイレを水洗トイレに改修し、管理棟を新しく建て替え、選手とファンの距離を縮めるために広大なファウルエリアを狭くし、駐車場も増やし、果てには由宇練習場応援キャラクターとして「ユウグレイト」さんという正義のヒーローまで登場する……そんな大変身を遂げました。

 由宇でいつも応援している長年のファンの方にお話を聞くと、「トイレがきれいになって来やすくなったよね。ファンの数もようけ増えてから、ほんと応援も熱いよ。それに今年はバティスタ選手の活躍を見とって、早く1軍に上がらんかってずっと思っとったんよ。メヒアも絶対やるけぇね!」とうれしそうに話してくれました。

 ウエスタン・リーグで39試合に出場し打率3割6分3厘、14本塁打、38打点の好成績だったバティスタ選手。由宇で見届けていたファンの期待を一身に背負い、1軍登録されたその日に代打で出場しプロ初打席初本塁打を放ち、翌日の試合でも代打で本塁打。プロ初打席から2打席連続本塁打という史上2人目の快挙をなし遂げました。カタコトながら一生懸命、日本語に訳してくれる通訳のクレートさんも含めて全国的なニュースになっていましたね。

 明日のヒーローが誕生する瞬間を間近で見ることのできる場所。1軍で活躍する日を思い描いて応援し続ける場所。ここは何事にも代え難い、そんな愛の詰まった球場なんだと思いました。

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