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 インド東部コルカタで、牛のふんを燃料にして走るバスが営業を始めた。バスの運賃は格安の1ルピー(約1・7円)。牛ふんは家庭での煮炊きやヒンドゥー教の儀式に使われるが、急増するエネルギー需要を前にエコ燃料としての模索が始まっている。

 バスを運営するのは、ガス精製会社「フェニックス・インディア研究開発グループ」。社員が8台のトラックで1日に約8トンの牛ふんを農家などから集めて回り、郊外にある自社工場でバイオガスを精製。シリンダー12本に入れて、バスの下部に搭載する。

 バスは緑色に塗装され、1ルピーのコインが描かれている。今年3月末から、市内で営業運転をスタート。通常運賃の2割未満という安さが話題となり、1日に約300人が利用するという。バスの内外にある広告が主な収入源で、現在1台の車両を年内に15台まで増やす予定だ。

 同社のダス社長(39)によると、重さ1キロ分の燃料で6キロ走り、燃費は天然ガスの1・5倍。通常の速度を出せる。排ガスに牛ふんの臭いはなく、一般家庭向けにも台所の燃料ガスとして売っている。また、牛ふんの燃料でヘリコプターを飛ばす計画もある。

 インドには牛の数が多いうえ、最近は牛の保護意識が高まった影響で、牛ふんの再利用を持ちかけられる機会も増えた。ダス氏は「エコを広めながら利益を上げられる。牛ふんの素晴らしさを広めたい」と話す。(コルカタ=奈良部健)