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 「じぶん史上、最高の夏」がキャッチフレーズの第99回全国高校野球選手権大会。山口大会でも連日、熱戦が繰り広げられている。一方、これまでの試合では足をつる選手が続出。好投の投手が途中降板を余儀なくされたケースもあった。最後まで全力でプレーするためにはどうすれば良いのか。専門家に尋ねた。

 16日の津田恒実メモリアルスタジアム(山口県周南市)。新南陽―徳山高専の第2試合。朝から暑く、気温は上がり続けた。試合開始の正午ごろには31度を超えた。球場での体感温度はさらに高く、スタンドで取材を続けていた記者同士で「今日はかなり暑いね」と言い合っていた。

 1―2。徳山高専のリードで迎えた六回表。守備についた徳山高専の外野手の足がつり、治療のため試合が中断された。その間、投球練習をしていた先発・手山堅心君(3年)の手と足もつった。好投していたが、降板せざるを得なくなった。試合後、手山君は「こんな経験は初めて」と唇をかんだ。

 18日、ユーピーアールスタジアム(宇部市)での第1試合、慶進―西京戦でも六回裏、慶進の投手・中田竣也君(同)も足がつった。それまで無失点だったがマウンドを降りた。このほかの試合でも選手の足がつり、試合が中断する場面がたびたびあった。

 なぜ筋肉はつるのか。筋肉が適度に収縮するには、塩分などが必要だ。塩分が不足すると筋肉が過度に収縮してしまい、つる。熱中症や脱水症状の一つで、汗をかいて体内の塩分が失われることが原因になる。

 今大会、各球場には選手や観客の体調不良に備えて、ボランティアの理学療法士が待機している。県理学療法士会で高校野球のサポート責任者を務める浜口隼人さん(33)によると、今年は筋肉がつったという症状を訴える選手がとても多い。厳しい暑さや、緊張で筋肉がこわばり、過度な負担がかかっていることが原因に考えられるという。

 予防には、こまめな水分、塩分補給が必須だ。「水が腹にたまると走りにくくなる」などと、あまり水分補給しない選手もいるが、浜口さんは「水分を取らないと、かえって身体のパフォーマンスが低下する」と話す。ベンチに戻るごとに、スポーツドリンクなどを摂取するように強く勧めている。

 試合中だけではなく、試合後の体の手入れも重要だ。試合中、痛みを感じなくても、筋肉が過度の負担を受けていることもある。丁寧にストレッチをして、ほぐす必要がある。

 球場で体に異常を感じたら、観客でも、選手でもすぐに理学療法士に声をかけて欲しいという。自身も久賀(現・周防大島)の野球部員だった浜口さん。後輩たちには、のどが渇く前に水分を取るなどの対策をとり、ベストパフォーマンスを発揮する「最高の夏」にして欲しいと願っている。(藤野隆晃、三沢敦)

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