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 インド大統領選の開票が20日行われ、与党・人民党が推すカーストの最底辺層「ダリット」(被差別民)出身のラム・ナト・コビンド前ビハール州知事(71)が当選した。野党候補も被差別民出身で「ダリット選挙」と呼ばれた。

 プラナブ・ムカジー現大統領の後任を選ぶ選挙で、上下両院議員と州議会議員による間接選挙で、17日に投票された。首相が政治の実権を握るインドでは大統領は国家統合の象徴的な存在で、ダリット出身大統領は1997年に就任したナラヤナン氏以来2人目。

 コビンド氏は弁護士や上院議員を務め、ダリットの権利保護の活動を続けてきた。野党の国民会議派も、ダリット出身の元下院議長を擁立した。

 インドでは、カーストに基づく差別は憲法で禁じられているが、差別は根深く残る。ダリットは国民の2割近くを占めるとされるが、具体的な地位向上策を双方が訴えたわけではなく「カーストが票のために利用されている」(政府関係者)との声があがった。(ニューデリー=奈良部健)