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 大阪府枚方(ひらかた)市の京阪枚方市駅に飾られた5千万円相当の絵画(縦122センチ、横96センチ)を盗んだとして、府警は20日、住所不定の自称古物商、山本数馬容疑者(62)ら男3人を窃盗の疑いで逮捕したと発表した。兵庫県尼崎市出身の著名な画家・白髪(しらが)一雄さん(1924~2008)が描いた「作品B」だったという。

 白髪さんは、天井からつるしたロープにつかまり、床にあるキャンバスの上に足を使って描く独特の画法をとり、国際的にも知られる。絵画は93年に駅周辺の高架化を記念して施工業者が寄贈したもの。駅の改札の近くにあるホーム間を行き来する通路の壁に、額縁に入れてボルトで固定して展示されていた。

 捜査3課によると、山本容疑者は15年10月10日夜、住所不定無職の男(56)=窃盗罪で服役中=ら2人と共謀し、この絵画を盗んだ疑いがある。駅の防犯カメラには、56歳の男がヘルメットをかぶって壁の絵画を外し、タクシーで立ち去る姿が映っていた。この男は「頼まれて盗んだ」と供述しているという。

 また、府警は昨年1月にこの絵画が盗品であることを知りながら山本容疑者から4500万円で買い取ったとして、大阪市西区新町4丁目、会社役員藤井賢子(よしこ)容疑者(63)を盗品等有償譲り受け容疑で逮捕した。府警は、藤井容疑者の自宅から絵画を押収した。

 同年8月には海外のオークション会社に絵画の出品の相談があり、府警は転売目的だったとみて調べている。

 かつて絵画が飾られていた場所は自動販売機の脇付近で、柱などにも隠れ、絵に気づかなかった利用客もいた。通勤で駅を利用する会社員女性(62)は「言われてみれば絵があったような気もするけど……」。5千万円相当だったことに「そんなに高い絵がこんな所にあったなんて」と驚いていた。