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 日本勢初の9秒台突入へ、陸上男子100メートルはトップレベルの層が厚くなっている。高校年代のトップランナーで、2020年東京五輪を狙うのが宮本大輔(京都・洛南高3年)だ。

 6月の全国高校総体近畿地区予選の決勝で高校歴代3位の10秒23(追い風0・6メートル)をマーク。29日から山形である全国高校総体(インターハイ)で200メートル、400メートルリレーと合わせた短距離3冠を狙う。宮本は「俺は負けない。王者の貫禄を見せられたらと思います」と自信満々だ。

 山口県出身の宮本は小学4年で陸上を始め、周南中3年の2014年に10秒56の中学新記録を樹立。鳴り物入りで洛南へ進んだ。桐生祥秀(東洋大)の4学年後輩にあたり、「桐生2世」の期待を背負ってきた。スタートからの加速に磨きをかけ、昨夏のインターハイでは100メートルと400メートルリレーを制した。秋の岩手国体では10秒31の自己ベスト。そして先月、10秒23までたどり着いた。

 宮本には、高校入学以来闘ってきた「敵」がいる。「中学チャンピオンは高校で伸びない」「10秒56で頭打ちだ」。そんな声が伝わってくるたび、思った。「全部はねのけて、やってやろう」。洛南に集ったレベルの高い仲間と練習から勝負を重ね、順調に自己記録を伸ばしてきた。「中学王者でもここまでできる、ってのを見せられてよかった。細くて筋力的にまだまだですし、走りも粗削りなので、かなり伸びしろはあると自分で思ってます」と言って笑う。

 先月の日本選手権では、予選で桐生の隣のレーンを走った。桐生が10秒15、宮本は10秒39だった。「まだかなり差がありますけど、前半は通用するのがわかった。いい経験になりました」。宮本は準決勝で敗退したが、決勝に臨む桐生のアップに付き添わせてもらった。これもプラスになった。

 最後のインターハイ。宮本の闘いは30日から始まる。100メートルの目標は桐生の持つ大会記録10秒19を破っての2連覇だ。「10秒23のときも、まだまだ余裕がありました。10秒1台を目指して、しっかり出したいと思います。プレッシャーはありますけど、勝つのは自分です」。中学王者は貼られたレッテルを破り捨て、高校王者になった。この夏、その座を譲るつもりはない。(篠原大輔)