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 衝動を抑えられずに万引きなどの窃盗を繰り返す「クレプトマニア」(窃盗症)と呼ばれる精神疾患がある。群馬県渋川市の赤城高原ホスピタルは、その治療の先駆的な病院として全国的に知られている。再犯は防げるのか。病院の取り組みなどから考える。(三浦淳)

 頭に回路ができている――。万引きをやめられない埼玉県の50代女性は自らの「症状」をこう説明する。

 買い物に行くと、つい、確認してしまう。店員はどこか、防犯カメラは何台あるか。「万引きできちゃうな」という衝動が襲う。

 20代後半から万引きを繰り返した。結婚したばかりの2004年からは1年半ほど刑務所に服役した。

 出所後、「新婚生活を取り戻そう」と仕事を始め、家計を管理した。夫には、弁護士費用などで負担をかけた。食料費などを浮かせようと、スーパーやコンビニで食料品を万引きするようになった。

 見つかれば、土下座で許してもらった。夫から「おかしい」と言われ、自分も「誰かとめて」と思った。

 精神科に通った。多重人格、解離性健忘症……。病名は付いたが、症状は「ひどくない」と言われ、病院を10軒以上「たらい回しにされた」。だが、万引きはとまらなかった。

 8年前に逮捕され、留置場で自殺を図った。夫が調べて行き着いたのが、渋川市の赤城高原ホスピタルだった。クレプトマニア(窃盗症)と診断された。

 赤城高原ホスピタルの竹村道夫院長(72)によると、クレプトマニアは病的な常習窃盗を指す。経済的利益や「どうしても欲しい」という目的よりも、衝動が主な理由。国内の診断基準はあいまいだが、米国では1千人に3~6人が病気にかかっていて、女性と男性の比率は3対1程度という調査もあるという。

 ホスピタルと関連施設では08年以降、症状が疑われる1600人以上を診てきた。竹村院長は「酒や薬物の依存は物質依存だが、クレプトマニアは万引きという行為に依存する。負けるのにやめられないギャンブル依存症に近い。きっかけは失意体験や家庭問題などがある」と分析する。

■周囲からは「セ…

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