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 7月7日に採択された核兵器禁止条約に対して、核保有国やその同盟国(核の傘国)がこぞって反対し、厳しい批判も展開している。いずれも、現実の国家安全保障政策には核抑止が少なくとも当面は不可欠だと主張する。いわば核抑止依存国群だ。

 確かに、すぐに核兵器をなくしたら世界各地で紛争が起きたり、世界規模の戦争が起きたりしないのかと問われると、100%の確信で大丈夫と答える自信はない。だからと言って、そこで沈黙する気にはなれない。ここでは核抑止依存国に、次のことを問いたい。

 自国ないしは傘下の同盟国の国家安全保障のために、他の国々、人々、地球環境などへの巨大な「コラテラルダメージ」(巻き添え被害)には目をつぶっていても、あるいはそこを直視しなくてもいいのか。

     ◇

 核兵器禁止条約採択に賛成した122カ国のうち大半が、南半球を中心とする非核兵器地帯に属する諸国だ。一部の例外(たとえば、オーストラリアは南太平洋非核地帯条約に入りながら、米国の「核の傘」のもとにある)をのぞけば、核兵器を持たないうえ、保有国による核配備も拒否し、しかも「核の傘」に頼らない方針だ。背景には核戦争になど巻き込まれたくないし、その被害をできるだけ防ぎたいとの思いがある。

 ところが、非核地帯以外で核戦争が起きても、地球規模でコラテラルダメージが広がるリスクが指摘されている。

 気候変動予測の専門家である米国ラトガース大学のアラン・ロボック教授はこんなシナリオを発表している。いわく、①インド、パキスタンが広島原爆相当の核兵器50発を使用したと仮定する、②爆発により巻き上がった粉塵などで太陽光線が遮蔽され、約10年にわたって気温低下などの気候変動がもたらされる、③その結果、食糧生産が壊滅的な打撃を受け、10億人が餓死する地球規模の「核の飢餓」が起こりうる。

 予測に基づくものなので不確実…

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