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 つまらない映画について語る時に僕の語ることは、どんなにつまらない映画でも日々見続けていれば、そこには何かしらの観照のようなものが生まれ、いったんリズムが設定されてしまえば、あとはなんとでもなるということだ。僕に役目があるのと同じくらい、つまらない映画にも役目がある。そしてつまらない映画は僕なんかよりはずっと忠実に、ずっと的確に、その職務をこなしている。何しろつまらない映画は、映画というものが発生したときから、いっときも休むことなく作られ続けてきたのだから。やれやれ。

 村上春樹さんの高名なエッセー「走ることについて語るときに僕の語ること」をいい加減にパロって書き出してみましたが、今回のお題は「つまらない映画をどう書くか?」ということ。主役は私ではなく、映画評論家・翻訳家の柳下毅一郎さんです。そして結論は、つまらない映画について書くとその映画はつまらなくなくなるという逆説です。日本映画をメッタ斬りする柳下さんのWEBマガジン「皆殺し映画通信」をまとめた著書の第4弾「皆殺し映画通信 地獄旅」(KANZEN)刊行記念トークイベントが、4日に東京・渋谷の「HMV&BOOKS TOKYO」で行われたので、取材してきました。

 映画担当記者をしていると、つまらない映画は避けられません。夕刊の映画評を担当していた2014~16年あたりは、外部筆者に発注して映画評を書いてもらう作品を毎週毎週4本選ばなければならないので、とにかくたくさん見まくっていました。山と届くマスコミ向け試写状ハガキを読み込み(試写の時間と場所だけでなく「コノ映画スバラシイノヨ!」と宣伝文句が書いてある)、モノになりそうな予感のする映画から優先順位をつけて見に行くのですが、開巻早々「あちゃー!」、見終わって「トホホ……」となることもしばしば。気を取り直して次の試写に向かいます。

 本欄でも、映画について必ずし…

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