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 国際的な水銀規制のルールを定めた「水俣条約」が16日、発効した。水銀による環境汚染や健康被害を防ぐため、採掘や使用に加え、輸出入なども含めた包括的な管理に取り組む。

 条約には、新規の水銀鉱山の開発禁止▽一定量以上の水銀を使った蛍光灯や体温計などの製造・輸出入の禁止▽水銀廃棄物の適正管理――などが盛り込まれた。2013年に熊本県で開かれた国際会議で採択、今年5月に締約国が50を超え、発効が決まった。今月8日時点で日本や米国、中国や欧州連合(EU)、アフリカ諸国など74の国と地域が締結している。

 条約名には、メチル水銀によって深刻な神経障害を引き起こした水俣病のような健康被害を二度と繰り返してはならないという決意が込められている。

 日本の水銀使用量は1960年代のピーク時で年2500トンだったが、この数年は年10トン未満。一方、南米やアフリカなどの途上国を中心に世界では2005年に約3800トンが使われた。小規模な金採掘現場では、金を取り出すために水銀が今も使われ、労働者や地域の人たちの健康被害が心配されている。

 9月24~29日には、スイス・ジュネーブで第1回締約国会議(COP1)が開かれ、途上国への資金提供の仕組みなどが議論されるほか、熊本県の高校生や水俣病患者の支援団体が参加し、世界に向けたメッセージを発信する。(戸田政考)