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 紅海と、インド洋の一部であるアラビア海が交わる海上交通路(シーレーン)の要衝に位置する東アフリカのジブチ。人口約90万人の小国の首都ジブチ郊外で今月1日、中国軍が初めて国外に建設した「ジブチ保障基地」が運用を始めた。中華人民共和国の成立以来、戦争や国連平和維持活動(PKO)を除くと、中国軍の恒常的な国外派遣は極めて異例だ。中国メディアは「中国軍初の海外駐留」と伝えている。

 その半月ほど前、記者が現地を訪れた。巨大な正門付近は近づくことが困難だった。敷地を囲う高さ約10メートルの塀は、上部に万里の長城と似た凹凸模様が刻まれ、城のやぐらを思わせる監視塔もいくつか見えた。

 ジブチには、中東・アフリカでの対テロ戦やソマリア沖の海賊対策に携わる米軍やフランス軍、イタリア軍の基地、日本の自衛隊の拠点がある。いずれも首都の国際空港周辺に集まる。

 中国軍基地は、町外れの海岸沿いにあった。塀の奥にのぞく本部棟らしき建物は、屋根の形が中国風だ。機能性だけを追求し、殺風景な他国の基地と異なり、デザインへのこだわりがうかがえる。

 広さは米軍の基地には及ばないが、日本の自衛隊が2011年に設けた拠点の3倍の約36ヘクタール。コンテナハウスが立ち並ぶ自衛隊拠点の「仮住まい感」とは対照的に、重厚なコンクリート製の建物は部隊を長期駐留させる意図を感じさせる。

 中国は基地開設について「アフリカや西アジアでの船舶護衛や平和維持活動、人道主義に基づく救援などの任務を保障(支援)する」と強調し、名称も「保障基地」として軍事色を薄めている。

 だが、共産党機関紙・人民日報系の「環球時報」は社説で「基地は中国海軍がさらに遠方に展開することを支援する」と指摘した。

 海と陸のシルクロード経済圏構想「一帯一路」が代表するように、中国は経済的、政治的な影響力を広げる国際戦略を具体化させており、習近平(シーチンピン)指導部の下で大規模改革を進める軍も、それを支える役割を強く求められている。

 中国は15年の国防白書で、海軍の防衛範囲を「近海防衛」から「近海防衛および遠洋護衛」に広げるとした。防衛範囲は東シナ海などの近海だけではなく、太平洋やインド洋も含むとする意思表示だ。ジブチの基地は、自国の権益を守るため、地球規模で軍事的、外交的な存在感を強める大戦略の一歩であることは疑いがない。

■巨額援助の戦略…

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