拡大する写真・図版錦市場の店舗シャッター=2016年10月 塩原直美撮影

 昨春、東京・上野の東京都美術館での、あの大フィーバーぶりをご存じでしょうか?

 「入館まで320分待ち」。それは一体、何時間何分なのか? もはや完全にまひさせられている状態。上野公園をぐるぐるぐるぐると長蛇の列、救護用テント設置、水まで配られた日もあったようで……。私は一人である雨の日、240分待ち。いい思い出です。

 その絵師を知らない方でも「何だかスゴイ並ぶらしいぞ」というニュースを見聞きしていたかもしれません。その絵師の名は「伊藤若冲」。江戸時代の京都の絵師です。

 2016年は、彼の生誕300年に当たり、その回顧展「若冲展」が行われました。東京でたった1カ月間。全国巡回なしの展覧会に、約45万人の人々が訪れ、熱気と興奮はファンだけでなく、社会現象化しました。

拡大する写真・図版長刀鉾の見送り=2016年7月 塩原直美撮影

 一方、京都でも様々な祝イベントが開催され、盛況でした。その中で、これを機に、祇園祭の長刀鉾の見送りが新調され話題に。若冲の作品「旭日鳳凰図」をつづれ織りに仕立てた、それはそれは見事な作品です。昨年から巡行時に長刀鉾の後ろ姿を美しく飾りました。カッコよかったです。

 今年は当然ですが生誕301年。でも実は、その熱は、まだ冷めていない。というわけで今回は、若冲に関する話題の商品情報と彼を取り巻く秘話をお届けします。

拡大する写真・図版錦市場 フラッグ=2015年7月 塩原直美撮影

代表作「動植綵絵」との出会いと再会

 私事ですが、実はさかのぼること10年前、2007年に京都・相国寺の承天閣美術館で開催された「若冲展」に行きました。

 そこで彼の代表作である「動植綵絵」の30幅にハートを撃ち抜かれ、圧倒され、もはや、打ちのめされていたので、昨年の上野は再会に「心震える」というよりも、むしろ「恐怖」。「動植綵絵」を含む33幅がズラリと並んだ、あの空間に我が身を置くと思うと震えてしまいそうになります。あの異様な「生気」を感じる空間、ものすごく疲れます。何か吸い取られるのでしょうか? あの絵と向き合うには、見る側にも覚悟が必要だと私は感じています。

 「動植綵絵」は見れば見るほど、奇妙。写実的なのに、どこか空想世界。鶏がしばらく夢の中に出てきそうです。

 そんな魅惑の絵師・若冲をもっと知りたいと私なりに勉強して、ゆかりの地を訪ね歩き、前回よりも自分が成長し、心構えをして挑んだ、昨年の若冲展でした。

■錦市場で「若冲」を…

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