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 長岡市に9月、人工知能(AI)ベンチャーが誕生する。起業するのは、市出身で経済産業省の関連団体が「天才プログラマー」と認める清水亮さん(41)。「長岡はAIの学習に必要な情報が全てある。AI技術者を育てたい」と話す。

 市との共催で4日に行われた講演会で清水さんが明かした。社名は「AIUEO(エーアイユーイーオー)」。清水さんが社長を務めるAI開発「UEI」(本社・東京)の100%子会社として発足し、AIを育成するための学習データの作成をする。そのためのAI研究・開発者、AI教育用データ開発者、営業担当、総務担当の正社員を募集。大学からのインターンも受け入れるという。

 「東京には都会のデータしかない。これから社会のいろんな場面にAIが使われていく。日本の大部分は田舎なんです」。将来は農業や漁業でのAI活用が見込まれ、長岡で起業する理由について「海も山も平地もあり、雪も降る。さまざまなデータが取れる」と説明する。たとえば水田で雑草を自動で刈り取るには、イネと見分ける必要がある。選別するにはイネや雑草のいろいろなバリエーションの情報が必要で、AIが学習して判断できれば、除草剤を使わないで済むようになるという。

 首都圏でAI技術者を厚遇しながら育てても、外資系にさらに好待遇で引き抜かれる。長岡に根ざす人材を採用することで、じっくり育てたいという。「AIの学習データの作成には、絵画的・美的センスが必要。同人誌即売会『長岡コミニケ』は開催30年を超えているし、長岡造形大もある。技術者系では各高専から学生が集まる長岡技科大がある。こんな地方都市はなかなかない」

 当面はUEI経由の仕事が中心となるが、「徐々に自社受注を増やし、長岡発のAIを開発したい」。(伊丹和弘

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 〈しみず・りょう〉 1976年、長岡市生まれ。6歳からプログラミングを始め、新潟大付属長岡中学校、国際情報高校を経て、電気通信大学在学中に米マイクロソフトのゲーム機開発に携わる。IT企業ドワンゴを経て2003年に独立。05年、経産省所管の独立行政法人・情報処理推進機構に「天才プログラマー」に認定された。現在、人工知能開発「UEI」社長、東京大学客員研究員。