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 国会の権限を上回る制憲議会の招集が強行された南米ベネズエラで、経済の混乱が深刻化している。政府の経済政策の失敗が招いたここ数年の物不足やインフレが、主要輸出品である原油の国際価格の下落でさらに悪化。食料品や医薬品の不足に拍車が掛かり、年720%とされるインフレ率は世界最悪レベルだ。マドゥロ政権が強権的な姿勢を強めるなか、国民は生活の厳しさに直面している。

 首都カラカスでは、至るところで市民の長い行列を目にする。米や油、砂糖などの食料品を求めてスーパーに並ぶ人たちだ。物不足は数年前から起こり始めたが、この1~2年で状況はさらに深刻になった。

 「ほしいものが手に入らない。早朝から並んでも何も買えないことがある」。話を聞こうと声をかけると、数人が一斉に不満を口にした。市民の間には殺伐とした空気が広がり、行列での口論から殺し合いに発展する事件も起きたという。

 カラカス中心部のスーパーでは野菜やお菓子はあるものの、小麦粉や鶏肉などの生活に欠かせない食料品はすべて品切れだった。商品の種類も少なく、一つの棚を同じ商品が占める。

 店長のアドゥリアン・レデロンさん(33)は「6年ほど前から品物が減り始め、最近は特に悪化した。ふだんはビスケットや野菜を食べている。1日2食の人も多い」と嘆いた。

 政府が管理する公定レートは実態を反映しておらず、チャベス前大統領の死去直後の13年4月に闇レートで1ドル=約24ボリバルだった為替相場は、制憲議会選挙があった今年7月30日には1ドル=1万ボリバル以上に急落した。スーパーでは毎週、20%以上も価格が上がる。

 食料品が店頭に並んでも一般市民には高額で手が出ない場合がほとんどだ。5人家族の食費に必要とされるのは月約144万ボリバルだが、1カ月の最低賃金は約9万7千ボリバル。大手スーパーでは米1キロが1万5千ボリバル以上で売られる。カラカスでは路上で生ゴミをあさる人の姿も多く、餓死者も出たという。

 物不足は医療現場でも深刻だ。必要な医薬品が手に入らず、患者の治療ができない状態が続いている。

 カラカスの小児病院で働くエドガル・ソティジョ医師(50)は「医薬品や設備の不足で治療できない例を毎日見ている。救える命が失われている」と窮状を訴える。最近も指に釘が刺さった4歳の男の子が、抗生物質の不足で指を切断したケースがあったという。

 医薬品だけでなく手術用具も不…

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