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 トランプ米大統領は14日、中国による知的財産の侵害の疑いがあるとして、制裁関税が可能な「通商法301条」に基づく調査の検討を、米通商代表部(USTR)に指示した。トランプ政権は北朝鮮問題での中国の対応に不満を募らせ、通商面から圧力をかける狙いがあるとみられる。中国側は強く反発しており、世界の経済大国間の貿易摩擦に発展しかねない。

 トランプ氏はホワイトハウスで大統領覚書に署名。「これは私が大統領選の候補者として約束してきたことだ。まだ始まりに過ぎない」と語った。覚書では「中国は、米国の技術や知的財産を中国企業に移転するよう義務づけるような法律や政策を実施してきた」と指摘。「米国の輸出を抑制し、米国市民の技術革新に対する公正な報酬を奪いうる」としている。

 USTRのライトハイザー代表は「最優先課題の一つであり、できる限り早く大統領に報告する」との声明を出した。今後、301条に基づく正式な調査が必要かを検討する。正式な調査で「クロ」とされれば、一方的に関税引き上げなどの措置が取られる可能性がある。米政府高官は、正式な調査の結果が出るまでには「1年ほどかかりうる」との見方を示している。

 一方、中国商務省は15日、米国が制裁措置を行った場合は「中国側は決して座視することなく、必ずやすべての適切な措置をとり、合法的な権益を断固として守るだろう」との報道官談話を発表した。知的財産侵害については「中国側はずっと知財保護を高度に重視している」と反論した。301条では米国が一方的な制裁に踏み切れるが、世界貿易機関(WTO)はこうした措置を認めていない。中国も対抗措置を取り、「報復の連鎖」が続く可能性がある。(五十嵐大介=ワシントン、福田直之)

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