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「恍惚(こうこつ)の人」から「希望の人びと」へ:2(マンスリーコラム)

 今年7月、丹野智文さん(43)が、東京経済大学で特別講義をした。39歳で認知症と診断されて4年。全国を飛び回り、100回以上講演しているが、大学で話すのは初めてだ。

 テーマは「若年性認知症当事者としての生き方、社会とのかかわり方」。階段教室は約330人の学生でいっぱいになった。

 「両親が40歳以下の人はいますか?」

 冒頭に丹野さんが質問すると、学生たちはキョトンとした。

 「いないですね。私は39歳で認知症と診断されたので、みなさんのご両親が明日、診断される可能性があるかもしれない。他人事ではなく、今日は自分事(じぶんごと)として、聞いてください」

 最初から学生たちをグイッと引きつけた。丹野さんは元トップ営業マンで、いまも事務職として働く。この日は休みをとって仙台から訪れた。

 診断後1年ほどは「一人になると涙が出た」こと。先輩の当事者やさまざまな人との出会いで「認知症を悔やむのではなく、認知症とともに生きるという道を選んだ」こと。薬の副作用のこと。偏見は自分自身や家族の心の中にもあること……。

 一つ一つ丁寧に語り、「できることは奪わないで。時間はかかっても待ってあげて」「何もできなくなるというのは間違いだと知ってほしい」。そして、「病気になったとき、最初の一歩を踏み出すのは大変だけれど、踏み出すことで人生は変わるよ」と話した。

学生の質問に

 「もし明日、親が認知症になったら、どう対応したらいいでしょうか」と、学生が質問した。

 「質問の1発目は勇気がいるよ…

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