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 指にレーザーを当てるだけで血糖値を計測できる技術を、量子科学技術研究開発機構の研究チームが開発した。採血せずに血糖値を測定できるため、医療機器として認められれば糖尿病患者の負担の軽減につながる。来年度から本格的な臨床研究を始める計画を進めており、5年後の実用化を目指す。

 厚生労働省によると、国内で「糖尿病が強く疑われる」成人は約950万人と推計される。特にインスリン注射をしている患者は毎日、自分で血糖値を測る必要があり、現在は指先に針を刺して採血するのが主流。針の改良などで痛みは少なくなってきているものの、患者の負担は大きいという。

 研究チームは指に赤外線レーザーを照射し、吸収される光の強さをもとに、血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度を計測できる技術を開発。採血せずに高精度で血糖値を把握することに成功した。

 実用化に向けて同機構発ベンチャー「ライトタッチテクノロジー」を設立。来年度から大学病院などの協力を得て、糖尿病患者約300人を対象にした臨床研究を始める計画だ。山川考一グループリーダーは「採血が不要になればより多くの患者が血糖値の自己測定に取り組むと期待できる。2022年に医療機器として販売を始めたい」と話している。(杉本崇)