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 人手不足が深刻な介護職員を増やすため、厚生労働省は未経験者を対象とした新たな研修制度を創設する。退職後の中高年が現場に入ってきやすくするのが狙いだ。2018年度の導入を目指す。25日に公表した来年度予算の概算要求に、研修実施費用などの事項を盛り込んだ。

 現在、介護分野の最も初歩的な研修制度は「介護職員初任者研修」で、130時間の研修を修了すると訪問介護ができる。新制度は訪問介護はできないが、その半分程度の時間で修了できるようになる見通し。受講者には介護保険制度や認知症の基礎知識のほか、移動や着替えなど基本的な身体介護の仕方などを学んでもらう方向だ。

 施設での介護なら資格や研修は今も不要だが、厚労省は簡単な研修で不安をなくせば介護の世界に入りやすくなると期待する。介護職員やボランティアとして活動できるよう、施設とのマッチングもする。ただ、修了しても給与面などで優遇されるとは限らず、どこまで人手不足解消につながるかは見通せない。

 高齢化で介護職員の需要が高まる一方、賃金の低さなどから慢性的な人手不足で、20年代初頭には約25万人の介護人材が不足するとされており、確保策が急務になっている。

 厚労省はまた、原発事故に伴う避難指示が解除された福島県相双地域にある介護施設への就職希望者に貸し付ける「就職準備金」の額を、18年度から現行の30万円から50万円に引き上げることを決め、概算要求に入れた。対象は県外在住者と地域に戻ってくる避難者で、1年間働けば返済は免除される。(松川希実)

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