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 文部科学省は28日、全国の小学6年と中学3年の計約200万人が受けた2017年度の全国学力調査の結果を発表した。10回目となる今回も例年と同様に、国語、算数・数学とも、必要な情報を整理して考えをまとめる思考力や、判断の理由を説明する表現力を問う問題の平均正答率が低かった。

 大学入試センター試験に代わって20年度に始まり、いまの中3から受ける「大学入学共通テスト」では、記述式の導入などで「思考力・判断力・表現力」が問われる。新しい学習指導要領でも重視されるこれらの力について、今回の調査結果は、いまの小中学生にも課題があることを示した。

 問題別にみると、例えば小6国語で、中学生からのアドバイスを読み、そこから必要な内容を自ら取り出して「緑のカーテン作り」のお願い文を書く問題の正答率が33・2%にとどまった。中3数学では、ダムの貯水量のグラフを題材に、ある量まで減るのに何日かかるかを求める方法を記述する問題で、無解答が3割を超えた。考え方の過程を説明するのが苦手な生徒が多いとみられる。

 各教科の都道府県ごとの平均正答率を比べると、小中とも石川県、秋田県、福井県が上位だった。いずれも例年上位に入る県だ。調査が始まった当初から比べると、上位県と下位県の差はおおむね縮まる傾向だ。

 今年からは政令指定都市ごとの成績も公表された。同じ道府県内で指定市とそれ以外の地域を比べると、指定市の方がやや平均正答率が高い県があった。仙台市やさいたま市、横浜市などでは指定市を除いた県全体より5ポイント以上、平均正答率が上回る教科もあった。

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 今回の調査では初めて、中3に文化系、運動系ともに平日1日あたりの部活動時間を尋ねた。「3時間以上」が11・4%、「2~3時間」が43・3%、「1~2時間」が29%だった。

 部活時間ごとに平均正答率をみると、「1~2時間」の層がいずれの教科でも最も正答率が高かった。「3時間以上」と「全くしない」と答えた層は、いずれの教科でも低めだった。

 ただ、平均正答率がトップレベルの秋田県は「3時間以上」「2~3時間」の割合が計77%、石川県も72・9%と、全国でもとりわけ部活時間が長い傾向となっていた。文科省は「生活や学習の習慣の全体をみる必要がある」(学力調査室)としている。(根岸拓朗)

●都道府県別の上位3県の平均正答率(公立校)

小6

【国語A】①秋田80%②青森、石川79%

【国語B】①秋田、石川64%③広島61%

【算数A】①石川85%②秋田84%③富山、福井、愛媛、高知82%

【算数B】①石川53%②福井51%③秋田、愛媛50%

中3

【国語A】①秋田、石川、福井82%

【国語B】①秋田78%②石川、福井77%

【数学A】①福井73%②石川69%③秋田、富山、兵庫68%

【数学B】①福井54%②石川53%③秋田52%

(※A問題は基礎中心、B問題は応用力を問う)