[PR]

 航空自衛隊の地上配備型迎撃ミサイルPAC3を在日米軍基地で展開する初めての訓練が29日朝、横田基地(東京都)と岩国基地(山口県)であり、報道陣に公開された。同じ頃に北朝鮮が太平洋へ弾道ミサイルを発射する中、隊員らは粛々と訓練を進め、迎撃態勢を整えた。

 横田基地は在日米軍司令部や空自の航空総隊司令部がある日本の防空・ミサイル防衛の中枢。岩国基地では戦闘機配備が強化され、ともにPAC3で守る必要性が高い。空自は同じ訓練を9月7日に米軍と自衛隊が共用する三沢基地(青森県)でも行う予定だ。

 29日の横田基地での訓練には、空自第1高射群第2高射隊の45人が武山分屯基地(神奈川県横須賀市)から参加。PAC3やレーダーなどを積んだ車両5台とともに部隊が午前6時ごろ横田基地に到着した直後、北朝鮮による弾道ミサイル発射の一報が入った。

 空自は第2高射隊が訓練をしても関東のミサイル防衛に支障がない態勢を取っているとし、またミサイルが本土に落ちなかったことから横田基地での訓練を予定通り実施。訓練前、同隊長の丸山潔2佐は隊員に経緯を伝え引き締めた。

 訓練終了後、マルティネス在日米軍司令官と前原弘昭航空総隊司令官が共同記者会見で日米連携を強調するはずだったが、マルティネス氏は実際のミサイル発射への対応に追われ欠席。訓練があった滑走路の近くに二つ並んでいた演壇の一つを米兵らが片付けた。

 前原氏は午前8時15分ごろから1人で会見に臨み、「情報の収集、分析に全力をあげている。共同記者会見にマルティネス司令官が参加できなかったのは残念だ。直前にミサイルを撃たれるとは全く予期していなかったが、我々の展開能力を示せたことは逆に意義があったのではないか」と語った。(藤田直央