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 写実的な描写などで根強い人気の漫画家・宮谷一彦さん(71)の48年前の作品をまとめた単行本「ライク ア ローリング ストーン」の第1話と4話が逆だったことが分かった。版元のフリースタイル(東京)は今月1日に出版した3千部のうち在庫分を断裁。購入者に対し、28日刊行の改訂版を無料で送るという。

 宮谷さんは、1970年代初頭に活躍した人気バンド「はっぴいえんど」のアルバムジャケットを手がけたことでも知られる。

 今回の単行本は、手塚治虫が創刊した漫画誌「COM」で69年に連載した全6話を収めた。連載の切り抜きを参考に、宮谷さんが持つ原稿を整理したが、1話、4話は扉に話数の番号がなく、編集者も宮谷さんも入れ違えに気づかなかった。

 同社の吉田保代表によると、宮谷さん自身をモデルに漫画家の仕事や恋愛などを描いた私小説的な物語で、本来の1話は恋人とのデートを、4話は主人公の旅行を描いていた。入れ違えで物語の時系列が逆になったが、「現在から過去に戻る展開はありうるもので気づかなかった」という。宮谷さんは入れ違え版を「これはこれでいい」と許容したが、「編集者のプライドとして放置はできない」と吉田代表が改訂版を出すことを決めたという。(赤田康和