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 シリアの内戦で祖国を追われ、「難民選手団」として昨年のリオデジャネイロ五輪に出場した競泳女子のユスラ・マルディニ(19)が来日し、29日は2020年東京五輪の大会組織委員会や東京都庁などを訪れた。3年後の五輪に向けた夢や目標、難民としての苦悩を訪問先で語っている。

 難民選手団は国際オリンピック委員会(IOC)がリオ大会で初めて設け、15年8月に姉と一緒にシリアからドイツに逃れたマルディニを含む10選手が出場した。最初は「難民という冠を付けられることで『家のないかわいそうな人』と思われることに抵抗感があった」。だが、世界中からのメッセージに励まされ「自分がしていることが、難民でない人にも勇気を与えられると思えるようになった」という。

 IOCは今年7月、難民選手団を東京五輪でも継続する方針を表明。リオ五輪では100メートル自由形と100メートルバタフライに出場し、予選落ちしたマルディニは「20位以内を目指したい」と語る。

 国連難民高等弁務官事務所の統計によると、紛争や迫害を逃れ家を追われた人々の数は昨年、過去最多の6560万人に達した。マルディニは「誰が難民になるかは分からない。シリアでは7年間、内戦が続いている。私も時に傷つきながら生活している。多くの人たちに私たちのことを知って欲しい」。(前田大輔)