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 サッカー日本代表の選手たちが食べているトマトパスタのソースを再現したレトルト商品が31日、ワールドカップロシア大会アジア最終予選の大一番、豪州戦の会場・埼玉スタジアムで販売される。ふるさと福島を思う代表専属シェフと東京電力の元幹部が福島県産トマトを使い、新しい商品を完成させた。

 商品を企画したのは同県南相馬市の一般社団法人「あすびと福島」。代表理事を務める半谷栄寿さん(64)は東京電力の元執行役員で、同市の出身だ。一昨年、1・5ヘクタールの大型温室を備えたトマト農園を地元に造り、初出荷となった昨年3~12月、約630トンを生産したが、うち約30トンは傷などで廃棄処分にせざるを得なかった。

 「規格外でも味はおいしい。活用できないか」。半谷さんは今年2月、サッカー日本代表専属シェフの西芳照さん(55)に相談した。同じ南相馬市出身。半谷さんがサッカー練習施設「Jヴィレッジ」(同県)で勤務していたとき、施設の料理長が西さんだった。西さんは「復興に携われるなら」と協力を快諾した。

 ほぼ毎食、日本代表の食卓に並ぶトマトパスタのレシピを再現することに決め、半年余りの試行錯誤の末、納得できる仕上がりに。「南相馬のトマトは甘くておいしい。それにほどよい酸味が加わり、爽やかな赤色が引き立つソースができた」と西さん。半谷さんの人脈で三菱商事が加わり、商品化をサポートした。半谷さんは「このパスタソースをきっかけに福島のトマトをブランド化し、農業の復興につなげたい」と意気込む。

 商品は日本サッカー協会のオフィシャルライセンスグッズに認定され、8月から県内各地で売り出している。31日は熱戦の舞台、埼玉スタジアムで限定販売し、県外でのデビュー戦に臨む。(飯沼優仁)