海中漂う生物、80枚に魅力凝縮 児童向け写真集出版

屋久島通信員・武田剛
【動画】海の中を「ぷかぷか」と漂う生き物=高久至さん提供
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 透き通った体を光らせて、幻想的に漂う生き物たち――。鹿児島・屋久島の水中写真家、高久至さん(35)が、児童向けの写真集「海のぷかぷか」(アリス館)を出版した。自然豊かな屋久島を中心に北海道や静岡県などで撮りためた作品で、魚の卵や稚魚、クラゲなどが海の中で浮遊しながら生きる姿を伝えている。

 高久さんは2009年に屋久島に移住し、ほぼ毎日、島周辺の海に入り、約1千種類の生き物を撮影。昨年はキャンピングカーで全国をめぐり、10カ月間で38都道府県の海に潜った。

 写真集では、海の中を「ぷかぷか」と漂う生物をテーマに、大きなクラゲから、わずか数ミリのエビやカニの幼生の姿までを約80枚で紹介。皿のような傘から白い触手を伸ばすニチリンクラゲの群れは、青い海に舞うガラス細工のよう。稚魚の写真も多く、半透明の丸い体からクリクリした目をのぞかせるユメソコグツの仲間や、青と黄が美しく輝くシマヒメヤマノカミなどは、愛らしい表情が印象的だ。

 高久さんは「日ごろは目にしない、こんなに珍しい生き物がいることを知ってもらい、海の魅力を感じてほしい」と話す。写真集の文は、高久さんの活動を知って、出版を勧めた東京の編集者、寒竹孝子さん(44)が担当。32ページ、税別1400円。(屋久島通信員・武田剛)

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