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 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)などでつくる市民団体「ヒバクシャ国際署名連絡会」の会議が30日、東京都内であった。署名運動を呼びかけた被爆者の1人で、日本被団協の代表委員を務めた谷口稜曄さん(88)の死去が報告された。谷口さんの遺志を継ぎ、「核兵器なき世界」の実現に向けて取り組み続ける方針を確認した。

 会議の冒頭、日本被団協代表委員の田中熙巳(てるみ)さん(85)が谷口さんの死去を伝え、約20人の出席者全員で黙禱(もくとう)を捧げた。谷口さんは、すべての国に核兵器禁止条約の締結を求める署名運動を呼びかけた被爆者9人のうちの1人で、田中さんが「谷口さんの思いを引き継いでいこう」と呼びかけた。

 会議後の会見で、田中さんは「同じ長崎で被爆し、一緒に運動をしてきた。よくあの体で頑張ってくれた。『ありがとう』と言いたい」と語った。やけどをした自らの写真をかざし、被爆体験を証言してきた谷口さんから、自身の体を触るように促されたこともあったと明かし「被爆したらどうなるか、身をもって伝えた芯の強い方だった。残念で、寂しい」と述べた。

 長崎出身の被爆3世で、運動のキャンペーンリーダーを務める林田光弘さん(25)は、核兵器廃絶運動にかかわり始めた約10年前に谷口さんと知り合ったという。「思春期のころから原爆と向き合い、闘い続けてこられた方。核兵器を許せない、という思いの重たさを自覚し、襟をただして伝えていきたい」と語った。

 会議では、米ニューヨークの国連本部で9月20日にある核兵器禁止条約の署名式に田中さんを派遣することなどを決めた。(岡本玄)

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