【動画】トヨタが新ブランド「GR」を発表。豊田章男社長は「86」のラリー仕様車でドリフト披露=佐藤正人撮影
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 トヨタ自動車は19日、スポーツカーの新ブランド「GR(ジーアール)」を発表した。プリウスPHVやヴィッツなどをスポーツ仕様に改造して売り出した。クルマ離れが進み、カーシェアも普及するなか、消費者の所有欲をくすぐり国内販売をテコ入れする。

 第1弾で19日に発売したのはハリアー、マークX、ヴォクシー、ノアを含む合計6車種。価格は最も安いヴィッツで税込み208万7640円から。もとのクルマに比べ、足回りなどを強化した。今後、86(ハチロク)やアクアなどの改造車も投入していく。

 「GR」は世界ラリー選手権などに参戦しているトヨタのモータースポーツチーム「GAZOO(ガズー) Racing(レーシング)」の略。レースで培った技術を新ブランドに反映させる。

 トヨタはスポーツ向けの改造車ブランド、G Sports(通称G’s(ジーズ))を2010年に設けており、これを発展的に解消する。

 トヨタの友山茂樹専務役員は「ガズーの根底は『トヨタの壁』を壊すチャレンジ精神だ。低価格で高性能なスポーツカーを提供したい」と話した。

三菱総合研究所の杉浦孝明主席研究員の話

 2000年代はミニバンなどファミリータイプの車に人気が集まった。景気の停滞を背景に、1台で通勤にもレジャーにも使える実用性の高さが重視されたのだろう。メーカーもそうした車の開発に資源を集中させ、スポーツカーの新モデルを国内でほとんど発売しなかった。

 しかし、2011年末ごろから各社が新モデルを相次いで発売し、スポーツカーの人気に再び火がつき始めている。独身の若者にも人気があるが、1980年代のブームと違うのは、中高年の購入が多いことだ。

 団塊の世代が、退職したり育ててきた子どもが独り立ちしたりして、自分の趣味にお金と時間を再び使えるようになっている。

 カーシェアの普及などで進むとされる車のコモディティー(汎用〈はんよう〉品)化は、2000年代からすでに進んでいた。どの車にも同じ機能が備わり、車の個性が見えにくくなっている。メーカーはデザインなど感性に訴える車づくりで違いを出す必要を迫られている。