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 江戸末期の浮世絵師・歌川広重(1797~1858)を中心に浮世絵を紹介する「原安三郎コレクション 広重ビビッド」が16日、北九州市小倉北区の市立美術館分館で始まった。250点を前期(10月9日まで)と後期(同11日~29日)で入れ替えて展示する。

 展示の目玉は広重晩年の傑作「六十余州名所図会」と「名所江戸百景」。広重監修のもと、ぼかしなど摺師(すりし)の技法の数々が丁寧に施された「初摺(しょず)り」の作品がそろう。日本化薬会長だった原安三郎氏(1884~1982)のコレクションで、保存状態が極めて良い「揃物(そろいもの)」の逸品だ。

 「広重ブルー」と呼ばれる発色の良い藍色や美しいグラデーションなど、初摺りならではの色彩が間近で楽しめる。作品の横には、描かれた場所の現在の写真が掲示されており、過去と現在に思いを巡らせながら鑑賞できる。

 学芸員の長峰真奈美さんは「いずれも今後十数年は公開されることがないと思われる作品ばかり。摺りたてのように保存状態の良い作品を細部まで味わってもらいたい」と話している。(井石栄司)