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 大相撲秋場所の十両の土俵で関取最年長38歳の安美錦=伊勢ケ浜部屋=が奮闘している。昨年夏場所に左アキレス腱(けん)断裂の大けがを負い、昨年秋場所で十両に転落してから1年。技能賞を6度獲得した角界随一の業師は終盤にきて3連勝中で、39歳で迎える九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)での幕内復帰を濃厚とした。実現すれば、昭和以降で最年長記録になる。

 12日目の21日、東十両2枚目の安美錦は1997年春場所の序ノ口デビューから通算1654回目の出場を果たし、歴代6位の高見山に並んだ。節目の土俵で同じ青森県出身の24歳、大成道=木瀬=を突き落としで破り、勝ち越しを決めた。「とりあえずよかった。バタバタして、内容はよくなかったけどね」。ホッと息をついた。

 前夜、歌手の安室奈美恵さんが引退するとのニュースに目を疑った。「一瞬、自分のことかと思ったんだよ」。字面が似ている上、引退という言葉に敏感になっていることもあってか、見間違えたらしい。早まった知人から「引退するの?」との連絡まで来たそうだ。「まだまだやめないよ」。そう言って笑った。

 13日目の22日には英乃海=木瀬=を破り、3連勝で9勝に伸ばした。九州場所で再入幕すれば、元関脇土佐ノ海(現立川親方)が持つ38歳6カ月の最年長記録を抜く。「どうなるかわからないから。しっかり相撲を取るだけだよ」。気を引き締めて、残り2日を戦う。(菅沼遼)